8/24 ひねもす のたり
●はしご
バイトがなかったので、カフェで卒論に関する作業をしていた。
昼食は有楽町のカレー屋、有名人のサインも飾ってあり、有名であることがうかがえる。
このカレー屋、 "ふくてい" という名前であった。神田の地で開業したというその老舗はすでに30年の歴史を持ち、神田駅の改修工事のために有楽町に引っ越してきたという。この写真にあるステーキカレーは名物メニューで、650円で堪能できる。値段以上の満足度である。
話をカフェに戻そう。
作業しているとき、ふと顔を上げる。すると、ガラス越しに、忙しなく歩く人たちが見えた。今日は土曜日だというのに、何をそんなに急いでいるのだろうか。
カフェでゆっくり過ごしている私としては、「終日のたり のたりかな」といった心地である。与謝蕪村の俳句は確か「春の海」であっただろうか。目の前の景色を見てどこか穏やかに感じた、というのに変わりはない。しかし私の場合、その穏やかさは素直に感じられたわけではなく、忙しない人たちとの対比によって得られた感情だった。
あるいは今日、天気も良く、心が晴れやかだったのかもしれない。
...卒論のためにパソコンを開いていたが、ぼんやり外を眺めていると、のたりのたりと時間ばかりが流れていった。